アクエリオンEVOL 最終話~ディレクターズカット~ その3 | アニメとゲームな日常

アクエリオンEVOL 最終話~ディレクターズカット~ その3

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アマタ「一万年と二千年前から…」
ミコノ「愛してる」
一億と二千年経っても愛してる。

―――
ベクター内

ユノハ「うぅ……守りたい…」ググッ

ユノハは必死に操縦桿へと手を伸ばす――が届かない。AAQの圧倒的な力、そして満身創痍からくるどうしようもない恐怖が彼女自身の行動を拒んでいたのだ。

ユノハ「っ……うっ…」ググッ
???「……」スッ

小さな緑色の手がユノハの手をそっと触れる。すると、さっきまでの震えが嘘であったかのように止まり、自然と操縦桿に手を届かせることが出来た。ふと目をやると、そこには緑色のカエル猫、タマと呼ばれる人形が腕を全開に広げ、ユノハと共に操縦桿を握っていた。

ユノハ「っ!! ジン君…? ジン君なの!?」ガチャッ

―――言っただろ、ユノハ? 人は決して一人ぼっちじゃないって

ユノハ「っ……ジン君…!」グスッ

『ジン』:女性の死滅によって、アルテア界に生まれた最後の少年。当初はレア・イグラー捕獲という目的のため、ネオ・ディーヴァ側とは敵対関係にあった。幾度かの激戦の末、彼は潜入調査の一環でアマタ達の学校に編入することとなる。ヴェーガ(地球)の文化や女性に関する予備知識を持たないことに加え、周囲との交流に消極的だったため、行く先々でトラブルを起こす中ユノハと出会う。彼女への淡い恋心を覚えるとともにアルテア側の侵略の正当性について疑問を抱くようになり、後にアルテアから離反。しかしそれを知ったミカゲの制裁を受け、ユノハに看取られながら帰らぬ人となった―――ハズだった。

カイエン「ぐっ……ユノハ?」

クレア「っ!? それにジンのオーラまで!!」

ユノハ『あぁ…感じる! ジン君の心を!』ビクンッ

バラバラだったベクターが突如合体を始めた。その姿は、以前ユノハとジンが最初で最後の合体を行った時に見せたアクエリオン・ゲパルトの第2形態。まるで1つの巨大な砲台のような形へ変形したゲパルトが、その両腕を天に向かって伸ばし始める。

ユノハ「魂の鼓動が!」

ジン『全てのモノに宿る!』

ユノハジン「『大いなる命の流れを!!』」

ゲパルトの両腕から巨大な2つの光が放たれた。その光はボロボロとなったEVOLの上半身を飛び越え、AAQへと真っ直ぐ伸びていく。

ユノハジン「『うぉぉぉおおおおお!!!』」

二人の咆哮と共に二つの光は少しずつその距離を縮め、まるで一つの巨大な壁を形成するかのように、AAQの眼前からEVOLの存在を“断ち切った”。

―――
真っ暗な空間

アマタ「」

―――アマタさん!

―――アマタ!

―――アマタ!

―――アマタ!

―――アマタ…

―――アマタ!

―――アマタ

―――アマタ君!

―――今を受け入れろ、アマタ

絶望に打ちひしがれるアマタの心に、とても温かい声が届く。ユノハ、ジン、カイエン、シュレード、クレア理事長、ゼシカ、カグラ、ミコノ、不動総司令、そして――

―――アマタ…

―――アマタ

アマタ「……母さん…父さん………ッ!!」キッ

アマタが目を見開くと同時に、彼の足から眩い光を放つ翼が姿を現した。

―――


アマタ「うぉぉぉおおアアア!!!」バサッ!!!

ゼシカ「っ!?」

カグラ「アマタ!?」

幼い頃、ずっと忌み嫌っていた自分の翼。周りから奇異の目で見られ、恐れられ、自身を孤独に追いやった憎たらしい翼。こんなもの無くなってしまえばいいと思っていた。

アマタ「ミコノさんは間違ってる! 一人きりでどうやって、何と繋がろうって言うんだよ!!」バサッ

しかし今は違う。この翼があって、どうしようもなく嬉しい。どんな壁も、辛さも、苦しさも、全てを飛び越えてゆけるこの翼が、愛する者の元へと羽ばたいてゆけるこの翼がたまらなく愛おしい。

アマタ「誰かが居るから…誰かが想い合うから! だから繋がれる! 俺はいつだって君の隣に居る!!」

ミコノ「っ……」グスッ

止められるものなら止めてみろ。たとえ何度へし折られようと、たとえ何度捥がれようと、この翼は無限に生えてくるぞ。子供の頃、悔し涙を浮かべながら延々と毟り続けて、それでも消えてくれなかったコイツは伊達じゃない。

アマタ「ミコノさんが年をとって! しわくちゃになってもォ!! ここで年を止めて! 神話になってもォ!! 俺はその隣に居るッ!!!」

ミコノ「……っ!!」パキャーン!!

アマタ「無限に飛びまくってェ!! 無限に愛し続けるッ!!!」バサッ!!!

突如、ミコノを拘束していたミカゲの茨の触手が消滅した。もしかするとその触手は自ら生贄にならんとする彼女自身の心が生み出した幻だったかのかもしれない。アマタの声に心動かされた彼女の想いに呼応するかのように、その姿を消したのだから。

ゼシカカグラ「「うぉぉぉおおオオオ!!」」

二人のベクターもなんとか体勢を立て直し、AAQへと羽ばたいてゆくアマタの姿を見上げる。

ゼシカ「アマタ!!」

カグラ「なんて野郎だ…俺は、シルフィを愛するために生まれてきた。一万年と二千年の時を越えて…」

正確にはカグラはミカゲによって生み出された“もう一人の”アマタ。しかし共に一万二千年前のアポロの生まれ変わりに違いはない。シルヴィアの生まれ変わりであるミコノを愛するため、ただそれだけのために生きてきたハズのカグラ。しかし…

カグラ「だけど! お前は今を! 今の“ミコノ”を愛した!!」グッ

~念~

今ここに生きるミコノはミコノ自身に他ならない。その身体に宿る心はアポロや翅犬ポロンが恋焦がれたシルヴィアやセリアンのモノではない。しかしカグラはそのことを受け入れることが出来なかった。自身はあくまでシルフィを、一万二千年前から続く恋慕の想いに従って彼女を愛していただけだった。しかしようやく、彼はミコノのことを、今を生きる一人の女性として認めることが出来たのだった。

カグラ「行っちまえ…テメェ等まとめてェ!!」

カグラ「愛の彼方へ行っちまえェェエエエエ!!!」ギュルルル!!!

アマタ「っ!?……カグラ!!」

カグラの乗るベクターから放たれた螺旋状の力がアマタの背中を押し上げる。それはまるで、自身に募るシルフィへの想いの強さを“反転”しているかのように、大きく、強く、そして眩しい真っ赤な力だった。

アマタ「うぉぉおおおアアアア!!! ミコノさぁぁああああん!!!」バサッ!!!

ミコノ「アマタく~ん!!」

アマタ「創聖合体! Go!!」

アマタ「アクエリオォォオオン! EVOL!!」

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ミコノ「あぁ……
ミカゲ『何ィ!?』

アマタの掛け声と共にベクターがAAQのコアへと入り込む。ミコノの乗るAAQの中に、ミコノ自身の中に入り込んでゆく。

ミカゲ『うぉぉおおおあああああ!?』

ミカゲがAAQから吹き飛ばされる。アクエリオンは3体のベクターの合体で形を成すロボットであるが故に、その中にアマタの乗る4体目(ヘッド)が強引に入り込むことにより、ミカゲの乗るベクター(ヘッド)が強制的に排除されてしまったのだった。

カグラ「…違う、EVOLじゃねェ……ソイツの新たな名前は…!!」

アマタ「アクエリオン……!!」

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アマタ「「L O V E」」ミコノ
アクエリオンEVOLは『愛』を拒みつづけてきた。クレア曰く、「アポロンとシルフィの互いを求め合う心が強すぎるため、搭乗する男女のエレメントが恋愛関係に至ると暴走の危険が高まる」からだという。だからこそ搭乗者は己が想いを必死で隠さなければならなかった。しかし、最早その必要はない。アマタとミコノの想いに共鳴し、“EVOL”は“LOVE”へと進化することで、真実の愛へと至ることが出来たからだ。

ミコノ「アマタく~ん!!」

アマタ「ミコノさぁぁああああん!!」

ミコノ「私はあなたを!!」

アマタ「俺は君を!!」


アマタ「…愛している!!!」
ミコノ「…愛している!!!」


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アマタ「……」チュ
ミコノ「っ!!」
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ミコノ「っ……」ポロポロ

涙が溢れた。愛する者と一つになれたことによる喜びの涙。一万年と二千年前にこの想いを伝えることが出来なかった切なさの涙。二万年と四千年前に気づいてあげられなかった謝罪の涙。色々な感情がミコノの中で爆発した。最早、この涙を止める術は見当たらなかった。

LOVE「……」ポロポロ

カグラ「……!!」

ゼシカ「…なによ、見せ付けちゃって!」グスッ

アクエリオンLOVEの目からも涙が溢れていた。その涙がヴェーガを包んでいく。

スオミ「アクエリオンLOVEの涙が…!」

ドナール「空間すらも飛び越えて、干からびた大地を潤し…!」

クレア「引き裂かれた世界を繋いでゆく!」

一万年と二千年の時を越え、ようやく結ばれることが出来た二人を祝福しているかのように、銀色に輝くアクエリオンLOVEもまた泣いていた。そしてその巨人はヴェーガとアルテアの仲立ちし、その涙が星を繋ぎとめ、“再び”崩壊しかけていた世界を元の姿へと戻していったのだった。まさに“愛は地球を救う”(キリッ

―――
宇宙空間

ミカゲ『おのれ…このままでは済まさん! 身体を…私に身体を!!』ヒュー!

?「……」

ミカゲ『おお…!! お前だぁぁぁああああああ!!!』

ミカゲは生きていた。しかし所詮は頭翅の心の影にすぎない存在。精神体でしかないその身体では、あの二人に復讐することもままならない状況だった。そんな中、ミカゲは暗礁に立つ一つの人影を発見する。このチャンスを逃す手はない。喜びの奇声と共に身体を乗っ取ろうとするミカゲだったが――

―――
???

???「……」シーン
ミカゲ『あぁ!? 何故動かない…何故ェ! 私の意のままにならぬゥ!?』

ZEN「……」スッ

ミカゲ『ッ!? アポロニアス…!?』

ミカゲが入り込んだ先は『不動ZEN』の中であった。ミカゲの言うように、この男こそ二万年と四千年、そして一万年と二千年の時を越え転生を果たした『アポロニアス』の真の転生者である。『我が身は万物の交差する中に在っても決して動じず、我が魂は悠久の時の中に在っても決して移ろわず』、不動ZENの言葉通り、天翅の力を持ってしても、その“不動”を揺るがすことは敵わなかった。

アポロニアス「…私は、お前を受け入れよう」

ミカゲ『ッ!!』ピクッ

アポロニアス「時代を共に見守ろう。私の中で眠れ…愛の影よ」

二万年と四千年の間求め続けた、愛する者からのその一言。待ち望んでいたハズの言葉だというのに、ミカゲはまだソレを受け入れることが出来ないままでいた。

アポロニアス「時を越えて…私達はこの時代で繋がった」パァァァアアン!!!

ミカゲ『あぁ…私を、一度ならず二度も裏切った男…』グスッ

ミカゲ『っ…それでも何故……』ポロポロ

ミカゲ『貴様の中はこんなにも…温かい……』ビクビックン

光と闇、陰と陽、男と女…相反する二つの星、天の川に阻まれし織姫と彦星が如きヴェーガとアルテア。元は一つであった二つの星々を永く見守り続ける、元は二つであった一つの命。

アクエリオンEVOL
最終話

~L O V E~

―――――
―――
――

-

 ミカゲとの採集決戦からしばらく経った。戦いによって半壊した聖天使学園も少しずつ元の姿を取り戻そうとしていた。物資を運ぶ者達、炊き出しを行う者達、校舎の修繕、瓦礫拾い。そしてちゃっかりサボるオペ男とメイ・チャン、そいつらに怒号を浴びせるゲパルト。

 ヤレヤレと溜息をつくカイエン、LOVE臭に嫉妬するモロイ、趣味と実益最優先のサザンカ。カメラのレンズ越しに差し入れのおにぎりを持ってくるスオミ、それを受け取るドナールが見える。もじもじするスオミ、もしゃもしゃ食うドナール。ひそひそ耳打ちするスオミ、衝撃のあまり硬直し、おにぎりを落してしまうドナール…デキたか(汗)

 汗を拭う学園長、いえ司令。ドーナツをもきゅもきゅするクレア。仲良く写真に納まるアンディとMIXのカップル。胸の膨らみ具合からして、どうやらMIXの“イブの呪い”は解けたようだ。洗濯物を干しているユノハ。彼女が抱える緑のカエル猫の人形、タマの中にはまだジンの魂が宿っているのだろうか? そしてたくさんの洗濯物の中に一際目立つ紙袋のマスク……紙袋のマスク…(滝汗)

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 集合写真。しかしそこにシュレードの姿はない。そして、互いに愛を誓い合ったアマタとミコノの姿も…。皆が笑顔で撮影される中、一人曇った顔のゼシカ。自身の心の弱さが招いたこの惨状に心を痛めてか、それとも…。

 余談だが、結局ディレクターズカット版でも、“あの”顔が解禁されることはなかった。非常に残念である。ちなみに貼り付けてある画像は全て地上波で放送したものだ。盤のモノではノンテロップでこの映像が流れていた。

―――
海岸

ゼシカ「……」

カグラ「……」

夕日が沈む海を見つめる2人。今日も帰ってはこなかった。落胆し、寮に戻ろうとするゼシカだったが――

カグラ「…?……」クンクン

ゼシカ「?……ッ!!」

シュシュ「しゅしゅしゅしゅ! きゅ~!!」ポフッ

ゼシカ「シュシュ!?」

シュシュ「ふしゅ~~~///」ウルウル

海の彼方からミコノのペット『シュシュ』がゼシカの胸に飛び込んできた。驚くゼシカ、久方ぶりの再会に目をうるませるシュシュ。そしてその先に見える巨大な影。

ゼシカ「あ、あぁ……!」

カグラ「……へっ!」

仲間の帰還に駆けつけるエレメント達。そしてゆっくりと近づいてくる銀色の巨人アクエリオンLOVE。

ユノハ「あぁ…」

MIX「っ……」

クレア「……」

アンディ「はっはは! アマタ~♪」

 皆が見つめる中、アクエリオンLOVEから2つの人影が出現した。一つは足に眩い光の翼を生やす少年アマタ。そしてもう一つはその少年に抱きかかえられた、世界を繋いだ少女ミコノ。創聖の書は終わることのない物語。彼等の神話はこれからも綴られてゆく。

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アポロニアス「以後、恋愛解禁ッ!!

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